【O-42】肝機能障害、急性壊死性脳症をきたしたLARS1遺伝子異常の1例
1)神奈川県立こども医療センター 遺伝科
2)神奈川県立こども医療センター 神経内科
3)神奈川県立こども医療センター 臨床研究所
2)神奈川県立こども医療センター 神経内科
3)神奈川県立こども医療センター 臨床研究所
【背景】LARS1遺伝子変異により乳児肝障害症候群1型を生じることが報告されている。急性壊死性脳症の姉弟例でLARS1遺伝子の両アレル性の変異を同定したため報告する。【症例】1歳6ヶ月、男児【現病歴】発熱、上気道症状、嘔吐出現し前医を受診、血液検査で肝機能障害と低血糖を認め前医に入院したが入院後も検査所見が改善せず翌日当院へ搬送された。【家族歴】姉が1歳5ヶ月時にインフルエンザ脳症で死亡。【入院後経過】ウイルス性肝炎の疑いで経過観察していたが、転院翌日に全身性強直性けいれんが重積した。頭部MRI画像で著明な脳浮腫、両側視床の低信号を認め急性壊死性脳症と診断された。加療に反応せず入院5日目に死亡した。後日HHV-6 DNA陽性を確認した。後日全エクソーム解析でLARS1遺伝子変異をヘテロ接合体に同定した。姉の臍帯DNA検査でも同じ変異を同定した。【結語】集中治療を必要とする急性壊死性脳症について網羅的なゲノム解析が必要である。