【O-41】ABL1のrecurrent変異による両無眼球症の症例
1)神奈川県立こども医療センター 臨床研究所
2)神奈川県立こども医療センター 遺伝科
2)神奈川県立こども医療センター 遺伝科
無眼球/小眼球症は遺伝的異質性が高く、現在まで90以上の遺伝子異常が知られている。このことは、ヒトの眼の発生が時間・空間的に複雑で厳密なプロセスを経ることを反映している。ABL proto-oncogene 1 (ABL1)はチロシンキナーゼを有し、Philadelphia染色体BCR-ABL1融合遺伝子を構成する。一方で、ABL1は最近先天性心疾患-骨格奇形症候群の原因遺伝子として報告(Wang X et al., 2017)された。今回ABL1のrecurrent変異をもった両無眼球症の症例を経験した。患者は両無眼球、両大血管右室起始症、心室中隔欠損、小脳低形成、屈指症の症状を示し、日齢28日で死亡。全エクソーム解析でABL1にrecurrent変異、c.1066G>A (p.Ala356Thr)をde novoで検出した。本症例はABL1が眼発生に不可欠である可能性を示唆した。