【O-34】マウスEdnrb遺伝子座のトランスポゾン挿入変異による白斑発症メカニズム
1)理化学研究所 バイオリソース研究センター 次世代ヒト疾患モデル研究開発チーム
2)理化学研究所 バイオリソース研究センター 実験動物開発室
2)理化学研究所 バイオリソース研究センター 実験動物開発室
日本産のモロシヌス亜種に属するJF1マウスは、白斑・難聴・巨大結腸等の様々な症状を呈する。これは、エンドセリン受容体遺伝子(Ednrb)にトランスポゾンの挿入変異を有し、Ednrbの発現が顕著に低下することに起因するためと考えられている。JF1のEdnrb遺伝子座のゲノム配列解析を行った結果、コーディング配列上の変異は認められない一方で、5.0 kbのレトロトランスポゾンが第一イントロン領域に挿入されていることを確認した。この挿入変異によるEdnrb遺伝子発現と疾患表現型への影響を調べるため、CRISPR/Cas9ゲノム編集系によってこのレトロトランスポゾンを取り除いたJF1マウスを作製した。この系統では、白斑症状の大幅な改善が認められ、トランスポゾンの挿入によるEdnrbの発現低下が、JF1マウスの疾患表現型の原因となることが明らかとなった。