【O-29】ダイアモンド・ブラックファン貧血における軟骨形成不全とRPL5変異に起因する細胞死との関連
1)岡山大学病院矯正歯科
2)岡山大学学術研究院医歯薬学域歯科矯正学分野
3)岡山大学病院小児血液・腫瘍科
4)京都大学iPS研究所臨床応用研究部門
5)京都大学iPS研究所基盤技術研究部門
2)岡山大学学術研究院医歯薬学域歯科矯正学分野
3)岡山大学病院小児血液・腫瘍科
4)京都大学iPS研究所臨床応用研究部門
5)京都大学iPS研究所基盤技術研究部門
ダイアモンドブラックファン貧血(DBA)は、リボソームタンパク質遺伝子(RP)の変異が原因とされる希少な先天性赤芽球癆であり、約40%に軟骨形成不全が関与すると思われる頭蓋顔面や全身の形態異常を合併する。赤血球障害に関しては、RP異常に起因したMDM2の機能抑制によりp53経路の活性化による細胞死の亢進が報告されているが、軟骨形成不全とRPとの関連は不明である。今回、骨格の形態異常とDBA原因遺伝子の一つであるRPL5の関連について検討するため、RPL5ハプロ不全のDBA患者の血球細胞からiPS細胞を樹立し、これを軟骨細胞に分化させ、分化能や基質形成能を比較した。結果、DBA群では軟骨基質形成能低下と細胞死の亢進、リン酸化MDM2の減少が見られたことから、RPL5ハプロ不全患者ではp53経路亢進による軟骨細胞の細胞死増加が示唆された。本研究は岡山大学倫理審査委員会の承認を得て実施された。