【O-20】ダントロレンの胎盤透過に及ぼす排出輸送体の影響評価
1)慶應義塾大学 薬学部
2)金沢大学 附属病院 薬剤部
2)金沢大学 附属病院 薬剤部
【目的】悪性高熱症の治療薬であるダントロレンは妊婦にも投与されうるが、胎児移行性について定量的な報告はない。本研究では、ダントロレンのマウス胎児移行性と、胎盤関門に発現して薬物の胎児移行を抑制する排出輸送体BCRPの寄与を評価した。
【方法】野生型及びBcrp欠損妊娠マウスにダントロレンを2時間持続投与後、その濃度をLC-MS/MSで定量した。胎児移行性を胎児血漿/母体血漿中濃度比(F/M ratio)で評価するとともに、母体脳移行性も同様に評価した。
【結果】ダントロレンのF/M ratioは野生型で0.2付近であり、胎児移行は抑制されていた。しかし、Bcrp欠損マウスでのF/M ratioも同程度であり、BCRPの関与は示されなかった。脳移行性はBcrp欠損によって上昇し、報告と一致していた。
【結論】ダントロレンの胎児移行抑制に及ぼす胎盤関門BCRPの寄与は、血液脳関門と比較すると極めて小さく、異なる移行抑制機構が機能している可能性が示された。
【方法】野生型及びBcrp欠損妊娠マウスにダントロレンを2時間持続投与後、その濃度をLC-MS/MSで定量した。胎児移行性を胎児血漿/母体血漿中濃度比(F/M ratio)で評価するとともに、母体脳移行性も同様に評価した。
【結果】ダントロレンのF/M ratioは野生型で0.2付近であり、胎児移行は抑制されていた。しかし、Bcrp欠損マウスでのF/M ratioも同程度であり、BCRPの関与は示されなかった。脳移行性はBcrp欠損によって上昇し、報告と一致していた。
【結論】ダントロレンの胎児移行抑制に及ぼす胎盤関門BCRPの寄与は、血液脳関門と比較すると極めて小さく、異なる移行抑制機構が機能している可能性が示された。