【O-17】PDE5阻害薬タダラフィルおよびシルデナフィルのマウス胎盤透過制御機構
1)慶應義塾大学 薬学部 薬剤学講座
2)三重大学 医学部 産科婦人科学教室
2)三重大学 医学部 産科婦人科学教室
【目的】胎児発育不全および妊娠高血圧症候群に対するPDE5阻害薬タダラフィル(TAD)の有効性が検討されている。一方、シルデナフィル(SIL)では新生児の遷延性肺高血圧症の頻度増加が指摘されたことから、PDE5阻害薬のマウス胎仔移行性と胎盤透過制御機構の解明を目的とした。【方法】妊娠マウスに対しTADまたはSILを72時間静脈内持続投与し、妊娠17.5日目に胎仔移行性を評価した。また、遺伝子欠損妊娠マウスを用いてMDR1およびBCRPの寄与を評価した。【結果】母獣に対する胎仔血漿中遊離形薬物濃度の比(F/M ratio)は、TADでSILより低いことが示された。また、合胞性栄養膜細胞に発現する薬物排出トランスポーターMDR1およびBCRPについて、それぞれの欠損妊娠マウスにおけるTADの F/M ratioは野生型と比較して上昇した。【結論】妊娠マウスにおけるTADの胎仔移行性はSILより低く、胎盤のMDR1およびBCRPによる母獣側への排出機構の関与が示された。