【O-56】ヒト胚子期における下肢筋形態形成過程の検討
1)京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
2)京都大学大学院医学研究科付属先天異常標本解析センター
2)京都大学大学院医学研究科付属先天異常標本解析センター
【背景】ヒト胎児の運動は妊娠7.5週から始まるとされているが、その時期の特に四肢筋についての詳細な発生過程は明らかではない。本研究では下肢筋について、各筋の形成順序の詳細を明らかにすることを目的とする。【方法】京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センターに所蔵されるヒト胚子連続組織切片のうち、Carnegie stage(以下CS)19―23について、計26標本・50脚を用いた。【結果】大腿部では縫工筋・大腿筋膜張筋の独立が早く(CS19)、CS21で成人と同じ筋構成になった。下腿では前脛骨筋の独立が早く(CS20)、CS22ですべての筋が確認できた。【結論】本研究により筋形成の法則性を検討することが可能となった。今後、進化的な背景が関係する副筋肉の発生過程の検討を加え、四足歩行から二足歩行へ進化する際の筋作用の変化と正常発生の関係にも考察を広げたい。