【O-48】嚥下障害が持続したAR-Larsen症候群の一例
1)東京都立小児総合医療センター 遺伝診療部 臨床遺伝科
2)東京都立小児総合医療センター 看護部
2)東京都立小児総合医療センター 看護部
反跳膝と多発関節拘縮を主徴とするLarsen症候群には、CHST3変異による常染色体劣性遺伝Larsen症候群(AR Larsen)が存在する。【症例】6歳女児。両親健常、非近親婚。妊娠中は大腿骨短縮のみ。在胎40週、体長40.0cm(-5.1SD)、体重2380g(-2.3SD)、頭囲32.5cm(-0.8SD) 、仮死なく出生。骨所見あり(両側反跳膝、股関節・肘関節脱臼、脊椎裂)、特徴的な顔貌を認めずAR Larsenを疑った。家族の同意取得後、サンガー法にてCHST3を解析、複合ヘテロ接合性のナンセンス変異p.(Glu122*)、p.(Gln424*)を同定。両膝関節脱臼は整復術、牽引・内転筋筋切りでは完全整復せず腰椎後弯も進行性、骨合併症による運動発達遅滞を認めた。本例でみられた、経管栄養を要し就学時までつづく嚥下障害や、重度成長障害は既報告に認めない。非定型症状の精査に網羅的ゲノム解析が考慮される。常染色体優性遺伝が多いLarsen症候群の再発率推定では、AR-Larsenが留意される。