【O-44】全前脳胞症を伴った環状21番染色体症候群の一女児例
1)東京医科大学八王子医療センター
2)東京医科大学病院 小児科・思春期科
3)東京医科大学病院 遺伝子診療センター
2)東京医科大学病院 小児科・思春期科
3)東京医科大学病院 遺伝子診療センター
環状21番染色体症候群は、欠失遺伝子の種類や数により様々な症状を呈する。症例は2歳の女児で、胎児エコーで子宮内胎児発育不全と胎児MRI検査で脳の形成異常を指摘されていた。出生後にNICU入院とし、頭部MRI検査でsemilobar型全前脳胞症と診断した。小頭症、眼球近接、高口蓋、カップ耳を認め、染色体Gバンド分染法にて環状21染色体と診断された。気管喉頭軟化による酸素化低下や誤嚥性肺炎に対し、気管切開および喉頭気管分離術を施行した。1歳時に頻回嘔吐を認め、腹部エコーで肥厚性幽門狭窄症と診断し、胃瘻増設術および幽門形成術を施行したが、術後に腸閉塞となり癒着剥離術を必要とした。経過中に中枢性尿崩症、水平眼振、強直性けいれんなどの症状を呈した。現在、児は寝たきりで持続陽圧呼吸療法と経腸栄養を要している。全前脳胞症を伴った環状21番染色体症候群の報告は少なく、医学的倫理的側面に配慮した上で過去の文献を交え報告する。