【O-43】Blaschko線に沿ったモザイク状の皮膚色素沈着を有するTFE3遺伝子のミスセンス変異の一例
1)愛知県医療療育総合センター 中央病院 遺伝診療科
2)慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター
2)慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター
【はじめに】TFE3遺伝子はXp11.23に位置し、共通する顔貌の特徴とBlaschko線に沿ったモザイク状の皮膚色素沈着を有する重度知的障害の原因遺伝子として2019年に報告された。【庄例】12歳女児。生後5ヶ月頃に寝返りを獲得した後に発達退行があり、生後7ヶ月時に点頭てんかんを発症した。現在も寝返り移動で有意語はなく重度精神運動発達遅滞がある。甲状腺機能低下症、混合性中等度難聴、睡眠障害、皮膚色素沈着、前向きの鼻孔、短い人中などの顔貌の特徴があり、全エクソーム解析でTFE3遺伝子にc.367G>C (p.Ala123Pro)de novoヘテロ接合性ミスセンス変異を同定した。【考察】本症例は既報告例と共通する顔貌の特徴やBlaschko線に沿ったモザイク状の皮膚色素沈着を認め診断の手がかりとなる所見と考えられた。TFE3遺伝子はX染色体上に位置し機能的なX染色体モザイクが皮膚色素沈着発症のメカニズムに関与している可能性がある。