【O-28】頭蓋縫合早期癒合症モデルマウスの成長に伴う頭蓋形態変化の定量的解析
1)東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 分子発生学分野
2)独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第五部
3)ロンドンカレッジ大学 ユーシーエル メディカルエンジニアリング部門
4)筑波大学 プレシジョン・メディスン開発研究センター
2)独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第五部
3)ロンドンカレッジ大学 ユーシーエル メディカルエンジニアリング部門
4)筑波大学 プレシジョン・メディスン開発研究センター
頭蓋顎顔面に生じる先天性疾患の課題の一つに、患者が示す形態的特徴や成長に伴う形態変化を診断者の主観ではなく客観的手法で評価することが挙げられる。本研究では、代表的な頭蓋縫合早期癒合症であるSaethre-Chotzen症候群、Apert症候群及びCrouzon症候群のモデルマウスを対象に、離乳期(3週齢)以降の成長に伴う頭蓋の形態変化について、μCT画像を用いた幾何学的形態解析法により評価した。Saethre-Chotzenマウスは野生型マウスと概ね同様の形態変化を示したが、Apert及びCrouzonマウスでは異なる傾向を示した。後者では蝶形骨間軟骨結合の癒合が認められ、これが成長に伴う頭蓋の形態変化の違いに寄与している可能性が示唆された。本研究は当該疾患モデルマウスの成長に伴う頭蓋形態変化を客観的手法によって初めて示したものであり、患者の診断や治療予後の予測への応用が期待される。本研究は所属機関動物実験委員会の承認取得済みである。