【O-27】Turner症候群の口蓋形態の三次元的解析-Turner症候群の口蓋形態は高口蓋ではなく狭口蓋である-
東京医科歯科大学 顎顔面矯正学分野
Turner症候群(TS)患者は、SHOX遺伝子の欠失または突然変異により高口蓋を呈することが知られている。TS患者の口蓋形態に関する過去の報告では、高口蓋は18-100%の割合で認めるとされているが、計測点、計測方法の再現性が乏しい場合が多く、口蓋形態の三次元的な解析を行った報告は未だ存在しない。今回我々は、東京医科歯科大学歯学部附属病院矯正歯科外来に来院したTS患者19名(平均年齢7.8歳)の上顎歯列模型の三次元データを取得し、口蓋形態、歯列弓形態を解析したので報告する。三次元形態計測の結果、日本人標準値と比較して、口蓋幅、口蓋断面積は有意に小さいものの、口蓋の高さでは有意差を認めなかった。以上より、TS患者の口蓋形態は高口蓋ではなく狭口蓋であることが示唆され、TS患者における臨床的診断及び歯科矯正学的治療法を選択する上で重要であると考えられた。本研究は東京医科歯科大学歯学部倫理委員会の承認を得て行われた。