【O-26】拡散テンソルイメージングを応用したヒト胎児の横隔膜形成過程の解析
1)京都大学大学院 医学研究科 人間健康科学系専攻
2)京都大大学院 情報学研究科 システム科学専攻
3)島根大学 理事・副学長
2)京都大大学院 情報学研究科 システム科学専攻
3)島根大学 理事・副学長
ヒト胎児の横隔膜の形成過程を明らかにするため、島根大学医学部解剖学講座が保有するヒト胎児標本(頭殿長[CRL] 33-87mm)17例を対象として、7TMRIにてT1強調(T1W)画像、拡散テンソル画像(DTI)の撮像を行った。T1W画像は画像解析ソフトAmiraを用いて三次元再構成を行い、形態観察を行った。DTIはDSI studioを用いてFiber trackingを作成し、筋線維、膠原線維走行の可視化を検討した。T1W画像での観察から、横隔膜は成長に関係なく第6-8胸椎間の高さにあったが、CRL70mmまでは右側が左側より頭側にある傾向がみられた。CRL45mm以降、腰椎部の右脚と左脚の形成が顕著であった。DTIでの解析では、CRL45mmから胸骨部、肋骨部、腰椎部の線維走行が明瞭に可視化できた。食道裂孔周囲における右脚、左脚線維の走行は、3つ(左脚のみ二又分岐、右脚のみ二又分岐、両脚が二又分岐)に分類できた。DTIによる横隔膜形成の解析は可能であり、今後も解析を進めていきたい。