【O-24】RAP迅速組織透明化法によるマウス各種臓器の深部組織3Dイメージング
金沢医科大学 医学部 解剖学I
我々が開発した迅速組織透明化法(RAP)を用いて透明化したマウス成獣肝臓、腎臓、及びマウス胎児で脈管系と神経線維を描出し、3Dイメージングを試みた。深麻酔下で成獣マウスを生理食塩水にて灌流し、4%PFAで固定前又は後に、カーボンインクや蛍光標識デキストランなどのトレーサーを血管内に注入した。その後RAP固定液とRAP透明化促進液にて組織を透明化した。また、マウス胎児を採取し4%PFA、次いでRAP固定液に浸漬し、Whole mount免疫染色により神経線維を可視化した。これらの標本を高屈折率溶媒で透徹後、画像取得を行い、さらに蛍光画像より3D像の再構築を行った。標識された構造の空間配置が簡便に描出できる本法は、正常構造の把握だけでなく、形態異常や病変部における血管や神経の走行や、その他の構造・物質の局在の観察に有用な手法である。本研究は、金沢医科大学動物実験委員会の承認を得て実施した。