【O-18】olmesartanとirbesartanのラット胎仔移行性と胎仔毒性
慶應義塾大学薬学部 薬剤学講座
[目的]アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は羊水過少症などの胎児毒性を示すとされるが、同効薬間における毒性発現の差異は未解明である。本研究の目的は、olmesartan (OLM)とirbesartan (IRB)の胎仔移行性の解明と胎仔毒性の評価である。[方法]妊娠満期ラットにおいて各ARBを持続投与後、母獣・胎仔血を採取した。ラット胎盤で各ARBの灌流実験を行った。[結果・考察] IRBの胎仔/母獣血漿中濃度比はOLMの約0.18倍であった。IRBの胎仔から母獣方向のクリアランスはOLMの約1.7倍高く、有機アニオン輸送体阻害剤(エストロン硫酸)存在下ではOLMと同程度になった。[結論] 妊娠ラットにおいてIRBは OLMに比較して胎児移行性が低いことが示され、IRBの胎児から母体方向の輸送には担体が寄与することが示唆された。