【O-14】新生仔期バルプロ酸曝露のフェレット海馬組織構築に及ぼす影響
1)つくば国際大学 医療保健学部 保健栄養学科
2)量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所
2)量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所
新生仔期にVPA曝露されたフェレットでは自閉症様社会行動異常と脳溝低形成がみられる。本研究ではフェレット海馬組織構築に及ぼす新生仔期VPA曝露の影響を調べた。生後6、7日齢の仔にVPA(200μg/g体重)を投与し、7日齢のVPA投与と同時にBrdUを投与した。7-tesla MRI(short TR/TE)による解析では、20日齢VPA投与群の海馬は対照群に比べ若干後方に位置していたが、海馬容積に変化はなかった。20日齢の海馬ではBrdU標識細胞の70%以上がSox2陽性を示し、成熟ニューロンおよびグリア細胞は標識されなかった。BrdU標識Sox2陽性神経前駆細胞は、特に歯状回の顆粒下層に豊富に存在し、対照群に比べVPA投与群で有意に密であった。以上の結果から、新生仔期VPA曝露は歯状回神経前駆細胞の増殖を促し、海馬成体神経新生に関与する神経前駆細胞を過剰に生み出している可能性が示唆された。