【O-12】フェレットにおける新生仔期バルプロ酸曝露による小脳皮質内顆粒細胞新生の誘導
つくば国際大学 医療保健学部 保健栄養学科
本研究は新生仔期フェレット小脳の外顆粒細胞の増殖、維持、分化に及ぼすバルプロ酸(VPA)曝露の影響を明らかにすることを目的とした。生後6及び7日齢のフェレット仔に200 mg/kg体重のVPAを投与した。 5日齢にEdUを、7日齢(2度目のVPA投与と同時)にBrdUを投与し、VPA投与前後に新生をした外顆粒細胞を標識した。外顆粒層が最も厚くなる20日齢では、EdU及びBrdU標識細胞は全ての小葉の内顆粒層で観察された。BrdU標識細胞は対照群に比べてVPA投与群で特に小脳後葉において多くみられた。免疫蛍光多重染色から両群においてEdU標識細胞もBrdU標識細胞も多数がNeuN陽性を示したが、プルキンエ細胞及び分子層介在ニューロンのマーカーに対しても陰性であった。以上より新生仔期フェレットにおいてVPA曝露は小脳皮質の内顆粒細胞の神経新生を促す可能性が示唆された。