【O-10】ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンが次世代マウスの免疫系および腸内細菌叢に及ぼす影響
1)神戸大学大学院 農学研究科 応用動物学講座 動物分子形態学
2)神戸大学大学院農学研究科応用動物学講座組織生理学
3)神戸大学大学院農学研究科応用動物学講座感染症制御学
4)富山大学研究推進機構分子・構造解析施設
5)北海道大学大学院獣医学研究院毒性学
6)北海道大学大学院獣医学研究院トランスレーショナルリサーチ推進室
2)神戸大学大学院農学研究科応用動物学講座組織生理学
3)神戸大学大学院農学研究科応用動物学講座感染症制御学
4)富山大学研究推進機構分子・構造解析施設
5)北海道大学大学院獣医学研究院毒性学
6)北海道大学大学院獣医学研究院トランスレーショナルリサーチ推進室
ネオニコチノイド系農薬(NN)の次世代影響が近年相次いで報告され,NNが哺乳類の免疫機能および腸内細菌叢を攪乱する可能性も想定されている(Onaru et al., 2020)が,それらに関する報告は極めて少ない.本研究ではC57BL/6Nマウスを用い,胎子・授乳期にNNの一種,クロチアニジン(CLO)を65(農薬評価書の無毒性量)または260 mg/kg/dayになるように給水ゲルで自由摂取させ,生後3および10週齢雄産子の胸腺,盲腸糞,血液を採取した.胸腺重量の測定,血漿中サイトカインのマルチプレックスアッセイ解析,盲腸内容物の16S rRNA解析を行った.その結果,総量は少ないものの,投与群でTh1分化の促進を示唆する血漿中サイトカインの明らかな変動がみられた.腸内細菌叢では,門および属レベルでの細菌構成の変動および多様性の低下が認められた.先行研究に加えてNNが次世代においても免疫系および腸内細菌叢に影響を及ぼす可能性が示唆された.