【O-8】2光子顕微鏡を用いたクロチアニジン曝露による神経学的影響の解明
1)神戸大学大学院 農学研究科 応用動物学講座 動物分子形態学
2)神戸大学大学院 農学研究科 応用動物学講座 組織生理学
3)名古屋大学大学院 医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学
2)神戸大学大学院 農学研究科 応用動物学講座 組織生理学
3)名古屋大学大学院 医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学
最近,ネオニコチノイド(NN)系農薬が哺乳動物の行動異常を引き起こすことが報告され,神経回路活動への影響が懸念されているが,神経系に対するNNの作用機序は未だ不明な点が多い.そこで本研究では,2光子顕微鏡を用いて生体での神経活動を可視化し,NNの一種であるクロチアニジン(CLO)の神経学的影響を検証した.農薬評価書の無毒性量(雄47.2 mg/kg/day)を参考に,CLO(50 mg/kg/day)を9週齢のC57BL/6J雄マウスに2週間給水ゲルで自由摂取させた.そして,2光子カルシウムイメージング法を用いて1週間ごと(計3回)に,第一次体性感覚野における神経活動の経時的変化を観察した.その結果,CLO曝露により神経細胞の発火頻度および同期性に変化は認められなかったものの,Ca2+応答の振幅およびCa2+波形下の面積が有意に増加し,活動電位の発火頻度の増加を示唆した.以上より,CLO曝露による興奮性神経細胞活動を過活動化させることが示唆された.