【O-6】TCDD投与マウスにおける口蓋突起癒合後の離開による口蓋裂発生機序について
1)愛知学院大学 歯学部 口腔先天研究室研究室
2)愛知学院大学歯学部附属病院 口唇口蓋裂センター
3)九州大学 歯学研究院 歯学部門 口腔顎顔面病態学
4)愛知学院大学 歯学部 解剖学講座
2)愛知学院大学歯学部附属病院 口唇口蓋裂センター
3)九州大学 歯学研究院 歯学部門 口腔顎顔面病態学
4)愛知学院大学 歯学部 解剖学講座
目的)我々は、一定量のTCDD投与マウス胎仔が口蓋癒合後の離開により口蓋裂を発症する現象を報告しており、口蓋癒合後に離開する機序を明らかにすることを目的に研究を行った。日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)「口蓋突起癒合後の口蓋裂発生メカニズムの解析-細胞外マトリックスの影響-」代表:井村英人(No.19K10325)を得て行われた。方法)妊娠12週にTCDDを投与されたICRマウス胎仔において、口蓋突起の癒合を認めた胎仔と正常マウス胎仔の口蓋部を組織学的および免疫組織学的に比較検討した。結果)TCDD投与マウス胎仔の口蓋前方の癒合部では、口腔側粘膜でE-cadherin陽性細胞の消失を認めた。口蓋後方の離開部では、離開部周囲にTUNEL陽性細胞を認めた。考察)TCDD投与マウス胎仔では、口蓋癒合途中に離開し、口蓋粘膜では基底膜の断裂と上皮細胞間接着の低下により上皮組織が脆弱になり、癒合中の口蓋が離開に転じていくと考えられた。