【SP-3(O-21)】胎盤由来SOD3を介した妊娠期運動による肥満予防効果の次世代伝播機構
1)東北大学学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部
2)金沢医科大学 医学部 解剖学
2)金沢医科大学 医学部 解剖学
妊婦の肥満、糖尿病は自身の健康に害悪を及ぼすだけでなく、子に対して糖尿病をはじめとした慢性代謝性疾患の発症リスクを伝播させる悪循環を引き起こす。我々は、妊娠中の運動が母親の肥満による仔の耐糖能機能の低下を劇的に改善できることを見出した。更に妊娠中の運動で胎盤から分泌されるSuperoxide dismutase 3 (SOD3)が母体運動効果の子への情報伝達因子であることを同定した。胎盤における運動とビタミンDシグナルで分泌されるSOD3は、胎児肝臓でAMPK-TETシグナルを活性化し、糖代謝遺伝子プロモーターのDNA脱メチル化により遺伝子発現向上をさせ、肝機能を改善した。更にSOD3は身体活動が活発な妊婦の血清及び胎盤で有意に増加していた。胎盤由来SOD3と仔の肝臓と妊娠期運動誘発性クロストークの発見は、代謝性疾患の次世代伝播を予防するための新たな予防法として有用である。