【SP-6(O-49)】Baraitser-Winter syndrome を引き起こすACTBの新規変異同定と機能解析
大阪大学歯学研究科顎口腔顔面矯正学教室
未診断疾患イニシアチブの協力の下、両側性口蓋裂・両眼隔離・心房心室中隔欠損を有する家系を用いてトリオエクソーム解析を行い、Pathogenic な Actin beta(ACTB)変異を同定した。ACTBはBaraitser-Winter syndromeの原因遺伝子であり、全身的な症状に加えて顎顔面口腔領域では唇顎口蓋裂が認められる。しかしながら、ACTBの変異が口唇口蓋裂を引き起こすメカニズムはほとんど解明されていない。Whole-Mount In Situ Hybridizationの結果、ACTBは特に癒合時の口蓋突起上皮に強く発現している事が判明した。そのためMDCK細胞に変異ACTBを強制発現させる事により機能解析を行った。その結果野生型ACTBと比較し、細胞間接着部における局在の違いなどを認めた。これらの事より本研究にて明らかとなった変異は2次口蓋上皮細胞間接着に障害を起こす事により口蓋裂発生の一因となっていることが示唆される。本研究は大阪大学研究倫理審査委員会の承認を受けて行った。