【SP-7(O-52)】ビタミンA摂取と先天性横隔膜ヘルニアにかかる疫学的検討: 子どもの健康と環境に関する全国調査より
1)東邦大学医学部 社会医学講座衛生学分野
2)国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域
3)慶應義塾大学医学部 小児外科
4)子どもの健康と環境に関する全国調査研究グループ
2)国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域
3)慶應義塾大学医学部 小児外科
4)子どもの健康と環境に関する全国調査研究グループ
ビタミンAを介したシグナル伝達が横隔膜発生に重要だと言われている。本研究では出生コホート研究データを利用して、妊娠初期のビタミンA摂取と先天性横隔膜ヘルニアとの疫学的関連性を調べた。2011~2014年に全国15地域で参加登録された単胎生産出産妊婦89,658名のデータを解析した。妊娠初期の食物摂取頻度調査票への回答をもとにビタミンA(レチノール活性当量)の1日摂取量を推計した。横隔膜ヘルニアの診断(40症例)は、出生~1か月健診までの診療録情報から抽出した。ビタミンA摂取と横隔膜ヘルニアには負の関連性が示唆された。この関連性は、先行研究と同様に妊娠前肥満度18.4~24.9kg/m2の妊婦群において明瞭で、低摂取群(中央値230μg/day)に対する高摂取群(468μg/day)での横隔膜ヘルニアの調整オッズ比は0.5(95%信頼区間0.2-1.0)であった。本研究は、疫学の視点からビタミンAと横隔膜ヘルニアとを結びつける知見を提供した。